雨下のブログ

ブログ初心者。手探り状態。

食べた後の食器を流しに運ばない理由

 私の父は食事の後、空になった食器を流し台まで運ばない。

 今日、父とそのことで久々に口論になった。

 

「なんでいっつも運ばないのよ! 食べ終わったらすぐ運んでよ!」

「いつもじゃないだろ! 何を言ってるんだ!」

「いつもでしょ!? なんで運ばないのよ!」

 

 なんとも平行線な実のない会話。

 いつもなら面倒になって引く私も今回ばかりはヒートアップして怒鳴り散らした。

 

「たかだた三つ四つの食器を運ぶだけでしょ!? テーブルから流し台までほんのちょっとでしょ!? すぐ終わるじゃない! なんでそんなこともしてくれないの!?」

「俺にも他にやることがあるんだ!」

 

 と、父は憤慨。

 父は手に携帯を持ってメールを打っていた。

 

「急ぎのメールが来てるんだ! 早く返信しないといけないから、こっちを先にやってるんだ!」

 

 私はそれを聞いてさらに怒りのボルテージが上がった。

 メールが大事なのは百歩譲っていいとして、それは本当に食器を運ぶことよりも先にやらないといけないことなのか? 食器運びに何十分もかかるならまだしも、私が頼んでいるのは父一人が使った食器の運搬だ。ご飯茶碗に、味噌汁碗、魚の煮つけが乗っていた皿一枚に、小皿が一つ、ビールを飲んでいたコップ。それだけだ。食事のテーブルから台所が遠いわけでもない。歩いて三歩でたどりつく。どんなにゆっくり運んだとしても数分程度しかかからないだろう。父がちんたらメールを打っている時間のほうがよっぽど長い。しかも、父は「メールを打っている」というがそれは食事を終えてから三十分近くが経過してから言い出したことだ。なにかにつけ用事を見つけては食器運びを後回しにするのだ。父は。いままでの記憶が蘇って私はここ数ヶ月で一番の大声を出した。

 

「食器運びなんてすぐ終わるでしょ!? こっちは全部まとめて皿洗いたいの! だからとっとと流しまで運んでほしいの! テーブルも汚れてるから布巾で拭きたいの! 食器があったら拭けないでしょ!?」

「じゃあそう言えよ!」

 

 は?

 父の言葉を聞いた私の気持ちはまさしく「は?」だった。

 

「そういう理由で食器を運んでほしいならそう言えよ! 言わないとわかんないだろ?」

 

 言 わ な い と わ か ん な い ?

 なに言ってんだこいつ。

 一体なんのために何度も「食器を運んで」と言い、自分の食器を流し台に運んでいたのか、その理由を一から説明しないとわからない? 馬鹿じゃねえの?

 メールとか、その他の用事とかは本命じゃなかった。

 どうして食器をすぐ運んでほしいのか、父はその訳がわかっていなかったのだ。

 

 父は口論の最中ぐちぐちと「こっちの都合も考えずに」と言っていたが、人の都合を考えないのはどちらなのか。少しくらい、誰がどうやって家事が回っているか想像してくれてもいいんじゃないだろうか。

 まさか食器を運ぶ理由を逐一挙げて説明しなければならないとは思っていなかった。

 もしかしたら「言ってくれないとわからない」は、口論で押し負けそうになった父が放った苦し紛れの反撃だったのかもしれない。

 いっそそのほうがまだましに思える。