軒下から雨を眺める。

ため息を言葉に。

感情の正しい伝え方を考える

 怒りや悲しみの感情を人に伝えると、それ自体が悪いことのように反応されることがある。

 そういった場合、「私は悲しい」「私は憤っている」と伝えられた人が「自分は責められている」と感じるのが大きいように思う。

 また、「怒っている人を見たくない」「悲しんでいる人がいることを認知したくない」という他人の負の感情に引きずられたくない人もいるように感じる。

 

 では他者のヘイトをかき立てずに感情を伝えるにはどうすればいいのか。

 自分なりに考えたことを書きつらねる。

 

1.何に対して怒っているかはっきりさせる。

 まず、怒り(悲しみ)といった感情の矛先をどこに向けているかはっきりさせる必要がある。

 感情の矛先は個人や不特定多数のグループではなく、行為そのものに向けるべきだと私は考える。「罪を憎んで人を憎まず」の精神である。相手の人格を攻撃すると、相手も自分を守ろうと感情的になり双方の幸せにならない。

 「あなたが気に入らない」ではなく「あなたのこの部分、あなたがしたこの行為が気に入らない」と伝えると、相手の人格を否定することなく感情を伝えることができる。

 

2.感情を伝える理由を説明する

 私が一番大きな声で伝えたいのはここだ。

 「感情を伝える理由」と聞いて、「怒っているから」「傷ついたから」と思った人へ、

 違うと思う。

 泣いたり怒鳴ったりする行為は、相手に何かを伝えるための手段だ。

 相手に何かしてほしいことがあるから人は感情を発露する。

 自分の感情は、基本的に自分しか理解できない。自分の内側で制御できないほどの感情が膨れ上がっても、たいてい他人はその理由を、想像することすらできない。

 そして「感情の理由を伝える」とセットで言いたいのが、

 

3.相手にどうしてほしいか伝える

 である。

 人は感情に捉われると「なんでそんなことするの!」と感情を発散させるために言葉を使い、「どうしてほしいか」を伝えるのを怠っていることが多い。

 ここで面白いのが、感情を表に出すときに「なんで!」と大抵疑問形になっていることだ。

 「なんで!」と叫んでも「それは○○○だからです」と返ってくることはまずない。「なんかよくわからんけど怒ってるな」と思わせるだけである。

 「なにをしてほしいか」を相手に伝えないと、怒られた原因がいつまでもわからないので相手は同じことを繰り返す。そしてまた相手の癇に障ることをして、爆発……。

 

 まとめると、

・感情の矛先をはっきりさせる

 (相手の行為に矛先を向ける、相手の人格に矛先を向けない)

・感情の理由を伝える

 (自分がなぜ怒って、悲しんでいるかを伝える)

・相手にどうしてほしいかを伝える

 (してほしいこと、してほしくないことを具体的に伝える)

 

 上のまとめを読んで「面倒くせえ」と思った人。

 そう、私の言っていることはとても面倒くさい。

 なぜなら冷静に客観的に、自分の感情の理由を自覚し、相手に具体的に説明をしなければならないからだ。

 しかも、ムカッときたりイライラしているときに。

 自分を客観的に分析することも、相手に説明することも骨が折れて頭を使うのに、なんでこんな面倒なことを・・・・・・と思った人は多いと思う。

 ただ、人は「こうしたほうがいい理由」を知ると、意外なほどにフットワークが軽くなる。

 一度理由を伝えてしまえば、「そうしたほうがいい理由」が相手の頭に入っているので、今後説明する必要もない。(相手が忘れない限り……)

 ただただ感情のみをぶつけ合い、本当に望んでいることを伝えないまま関係が壊れ、修復不可能になってしまうのはあまりに悲しい。きちんと話し合えば、今後何十年も良好な関係が続いていたかもしれないのに。

  怒られた人に言いたいのは、怒られるということは、相手が自分に期待しているからだ。相手に向かって怒鳴ったり泣いたりするのは、自分をより理解してもらうことを相手に期待しているからだ。

「この人は私がなにを言っても変わらない」と思う相手にはなにも言わない。怒りも泣きもしない。人はやっても意味がないことをしない。しょせん「見限られた」状態である。喧嘩ができるのは、お互い話し合う余地があると無意識に考えているからだ。

 

 感情的になったときは、ほんの少しだけ深呼吸して頭を冷やしてみてほしい。コツやポイントを抑えれば、伝えたいことを正しく伝えるのは難しくない。